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  • 冊子印刷の歴史と活用方法

    冊子 雑誌やパンフレットなど、身近で目にすることの多い冊子。
    「ZINE」という新しいカルチャーが人気の今、ビジネス用途だけでなく「個人の趣味としてオリジナルの冊子を作りたい」という方も多いのではないでしょうか。
    BUSINESS名刺研究所でも冊子印刷の取り扱いがあり、「少部数から手軽に作れる」とご好評いただいています。
    この記事では、冊子の歴史を通して、冊子印刷のメリットや活用方法をご紹介いたします。

    巻物から冊子へ ~「コデックス」の歴史~

    冊子とは、複数枚の紙に印刷して綴じた本のこと。書物一般を指すこともあります。
    洋の東西を問わず、本や冊子の起源と言われるものはいくつかありますが、今回は古代ローマで誕生した「コデックス」について見ていきましょう。

    コデックスとは、古代末期から中世にかけて作られた写本のこと。この写本は巻物ではなく、冊子状に綴じられているのが特徴です。

    コデックスの原型となったのは、古代ローマの筆記具でした。薄い木の板の表面に蝋を塗った「蝋版」を何枚か重ね、皮紐などを使って綴じ合わせたもので、鉄筆で蝋の層を傷つけて文字を記します。温めて蝋を溶かすことで文字が消えるため、繰り返し何度も使うことができました。現代の感覚からすると、エコロジーな筆記具ですね。

    筆記具・コデックスは、木の板の代わりに紙が使われることで書物になり、次第に巻物に代わって製本様式の主流になっていきます。

    冊子
    ■ 1世紀
    写本としてのコデックスが作られるようになったのは、1世紀後半のことです。
    しかし、当時は紙として薄くてもろい「パピルス」が主に使われており、コデックスの形に製本するのは困難でした。そのため、この時代には巻物形式の書物の方が多く作られていたと考えられます。

    ■ 2~4世紀
    羊皮紙(パーチメント)の普及とともに、書物の形は巻物からコデックスへと移行していきました。
    羊皮紙は耐久性に優れ、表裏両面に書き込めるので、冊子の形に製本するには好都合だったのです。情報量が多く、巻物に比べて必要な情報を見つけやすいとあって、羊皮紙を使ったコデックスの普及が進んでいったといいます。

    ■ 6世紀
    6世紀に入ると、コデックスはイタリアの修道士によってさらに広められました。この頃のコデックスは羊皮紙を重ねて皮ひもを通し、革や木の板を使った丈夫な表紙を取り付けたもの。表紙には金具を打ったり宝石をはめ込んだりして、装丁の美しさも競われました。

    この時代から1000年ほど後に製紙・印刷・製本の技術が発展し、手書きの写本を作る必要はなくなりました。しかし、コデックスに使われた「冊子」という製本方式は、今も世界中の書物に欠かせないものとなっています。

    冊子のメリット


    冊子
    冊子という製本方式には、一体どんなメリットがあるのでしょうか。
    具体的には、以下の5つが考えられます。

    ・情報量が多い
    ・見開きを使った表現ができる
    ・用紙がバラバラになりにくく、持ち運びに便利
    ・棚に縦置きしやすい
    ・長期の保管にも適している

    冊子は、一枚ものの紙に比べると多くの情報を掲載することができます。また、見開き2ページ分が一度に見られるのも特徴です。複数の情報をカテゴリーごとにまとめて紹介する際に効果的ですね。
    また、製本してあることで、バラバラになりにくいのもメリットです。単に用紙を束ねたものに比べると、各段に持ち運びしやすくなります。
    さらに、書籍などの情報量が特に多い冊子には厚みが出るので、背表紙にタイトルを表記することができます。そのため、本棚に置いた時に分類しやすく、丈夫な表紙をつければ長期保存にも耐えることができます。

    冊子印刷の活用方法


    冊子
    ネット社会と言われる現代ですが、冊子印刷は昔と変わらず「便利さ」や「自己表現」の上でとても魅力的なものです。会社案内などのビジネス用途はもちろん、自主制作冊子「ZINE」の流行により、ますます活躍の場を広げています。
    活用方法の一例は、次のようなものです。

    ・会社案内
    会社案内をWEBサイトのみで完結する方法もありますが、見る際にはネット環境が必要なため、見せたい相手や場面によっては十分に機能しないことも。
    会社案内の冊子には、
    「訪問先や展示会などで、適切なタイミングで会社の紹介ができる」
    「検索する手間がなく、必要な情報をすぐに取り出せる」
    などのメリットがあり、会社のコンセプトを分かりやすく表現した冊子が多く作られています。

    ・商品パンフレット
    A5サイズなどの小さい冊子は、手に取りやすく、カバンに入れて持ち帰りやすいもの。置き場所もとらないので、商品の陳列スペースの近くにパンフレットを置いておけば、お客様により詳しい情報を届けることができます。小さいサイズの冊子でも、見開き全体を大きく使うデザインにすれば、写真などを印象的に見せることができます。

    ・「ZINE」
    「ZINE」とは、「リトルプレス」とも呼ばれる、少部数で発行する自主制作の出版物のことです。「同人誌」と似た意味ですが、ZINEの特徴は「とにかく自由」であること。写真・イラスト・コラムなど、様々な内容を好きなように冊子の形にできるのが魅力です。自分で楽しむためだけに作られることもあれば、カメラマンやイラストレーターなどのポートフォリオ代わりに制作されることもあります。

    冊子
    BUSINESS名刺研究所では、4~24ページに対応した中綴じ製本の冊子印刷を承っております。「1冊から注文できる」「短納期」などの特徴があり、お客様からのデータ入稿による印刷はもちろん、デザイン制作からお任せいただくことも可能です。 冊子印刷をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!

    カテゴリー: 印刷,豆知識,

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