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お役立ち情報

  • 印刷の歴史

    「印刷」と聞いて思い浮かぶものには、本や雑誌、チラシやカタログなど、さまざまなものがありますね。
    印刷の技術は今の私達の生活の中で、とても身近に存在しています。
    そんな印刷の文化は、どこから始まり今のような発展を遂げてきたのでしょう。


    印刷文化の発祥は中国から


    印刷
    印刷文化の発祥は、6世紀頃(中国王朝・唐の時代)に中国で始まった木版印刷と言われています。
    木の板に字や絵を彫刻した木版を使う印刷方法で版画と同じ原理です。
    当時の印刷技術は、おもに仏教経典の印刷に使用されていました。
    その後、唐の時代が終わり王朝が変わるとともに、木版印刷は学問や芸術などさまざまな分野でも活用されるようになりました。

    ちなみに、唐の時代の木版印刷物で今でも完全な形で残っているものは、868年に印刷された仏教経典「金剛般若波羅蜜経(こんごうはんにゃはらみつきょう)」で、現在イギリスの大英博物館に収められています。

    印刷技術は、紙・火薬・羅針盤とともに中国の四大発明と言われています。

    印刷発展の歴史


    印刷
    印刷文化の発展に大きく貢献したのが、ドイツの金細工師ヨハネス・グーテンベルクが発明した活版印刷術です。
    グーテンベルグが活版印刷を発明したのは、1450年頃のことと言われています。
    1455年には残存する世界最初の活字印刷本『42行聖書』を印行しました。

    活版印刷は1文字1文字が独立した判子になっている活字を並べて文章にした版――組版を作り、それに塗料を塗って印刷する技術です。
    そのため、それまでの木版印刷より格段に速く印刷の版を作ることができます。
    活版印刷の発明により、多くの人が聖書を目にする事ができるようになり、これが宗教革命に繋がっていくわけです。

    また、活版印刷は安価に大量の印刷をすることができるため、数々の書物が一般大衆に急速に広がっていきました。
    これにより、その後ヨーロッパ全土に広がったルネッサンス(芸術・学術の革新運動)に大きく貢献したと言われています。

    時代が下って、 18世紀半ばから19世紀にかけては、ヨーロッパ各地で起こった産業革命により、紙の大量生産が可能になり、印刷技術も大きく進歩しました。

    日本の印刷文化の歴史~木版印刷からデジタル化へ~


    印刷
    日本の印刷文化はどうでしょうか。
    ここからは日本にスポットライトを当てて印刷の歴史を紐解いていきましょう。

    ■日本の印刷文化の始まり
    日本に印刷技術が伝わったのは6世紀の中頃(奈良時代)のことで、遣唐使などによってに中国からもたらされました。
    印刷文化が始まったばかりの当時は、印刷物のほとんどは仏教に関する書籍でした。

    770年には国中のお寺にお経をひろげるために100万巻のお経「百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)」が印刷され、これは世界で現存する一番古い印刷物として、法隆寺に保存されています。

    しかしながら、文字を読むことができる人々が限られていた時代です。
    仏書を必要とする人は多くないため、それ以降300年もの間日本では印刷は行われませんでした。

    ■日本の印刷文化の発展
    日本で印刷文化が発展したのは、江戸時代(16世紀)になってからのことです。
    江戸時代に入ると商業が盛んになり、また寺子屋の影響もあり、庶民の間でも読み書きできる人が増えてきました。
    それに伴い、新聞や教科書、書物などの印刷物が町民にも拡がっていったのです。

    さらに、人々の目が肥えるに従い、カラー印刷の浮世絵や多くの人に親しまれた小説「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」などが木版印刷で印刷されるようになりました。
    このように、印刷は当時の芸術や文化に大きな影響を与えたのです。

    ■木版印刷から活版印刷へ
    ヨーロッパで発明された活版印刷は、ヨーロッパから派遣された使節団と、それとは別に豊臣秀吉が朝鮮から持ち帰った技術によって、16世紀に日本にもたらされていました。
    しかしながら、日本では明治時代になるまで木版印刷が主流でした。

    その理由はいくつかありますが、一つは、当時のひらがな文字は草書(続け字)で書かれることが多く、活版印刷のように1字ずつ文字を独立させることが難しかったためといわれています。

    木版印刷から活版印刷へ移行したのは、明治になってからのことでした。
    そのきっかけとなったのは1870年(明治3年)、オランダ語の通訳をしていた本木昌造が明朝体の活字を作ることに成功したことです。

    活版印刷が始まると、新聞や雑誌、書籍などの発行部数は急激に増え、種類は多様化し、印刷のスピードも格段に速くなりました。
    このように活版印刷は、印刷の量も種類もスピードも優れた技術でした。
    こうして印刷文化は、大正、昭和とさらに発展を遂げたのでした。

    ■活版印刷からデジタル化へ
    発展を極めた活版印刷がデジタル化へ移行していったのは、1980年代後半に登場したCD-ROMがきっかけでした。
    パソコンの普及とともに、印刷物は実際に手に取って見るものではなく電子書籍へと形を変えていきました。

    その後の20年間で印刷技術は大きく変化し、今では、パソコン1台で印刷物の制作からプリントアウトまで出来るようになりました。
    これをデジタル印刷といいます。

    デジタル印刷になったことで、1冊単位の印刷(オンデマンド印刷)も可能になりました。
    それにより、在庫をかかえる必要がなくなったり、コスト削減もできるようになったのです。

    まとめ


    印刷
    いかがでしたでしょうか?
    印刷文化の発祥と日本の印刷の歴史、そして木版印刷からデジタル印刷への流れについてご紹介しました。
    1,200年以上も前に中国で発祥した印刷文化は、それぞれの時代の文明や文化と深く関わりながら木版印刷から活版印刷へと変化してきました。
    そして、この20年ほどの間に活版印刷も姿を消し、印刷はデジタル化へと急速な変化を遂げました。
    印刷文化は、いつの時代も人々の暮らしと共に発展し続けています。

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